宴の始まり 後編

ネララ
「遅いですね、もうこんな時間ですか。」

ようやく、宴会も終り村人達もそれぞれの家へ帰宅していった
その中ネララはトネネの帰りを待っていた
何も言わずに私を置いてどこかえへ行ってしまうなんて
少し寂しい とネララは心の中でそうつぶやいた

ポタ・・・・

? なにか液体が落ちたその液体は自分の頬をたどりきている服を濡らした
濡れたところが妙に目立つ これは涙

ネララ
「はぁ・・・ふふ、また私は昔のあの時みたいに一人になってしまうのでしょうか?」

そうつぶやくうちにどんどん涙が溢れ出した
私は一体どうしたのだろうか? 泣くなんて・・・鬼姫であるわたしが情けない
それでも涙は止まらなかった

忍び泣いているのもそのうちみままや他のみんなにバレてしまうかもしれない

そうだ、あそこなら・・・

私は宴会場を離れ あの子と出会い運命が変わった場所へ行こう

_______

彼岸花

ずささ
「一体なんだい? 俺さんになんか用かい?」

トネネ
「実は・・・」

私はネララ・・・お師匠様のことを聞きだそうとした 一体過去に何が会ったのか
ずささならきっと教えてくれるはずだ 思い切って喋ってみた

そうするとずささはこう切り出した

ずささ
「おや? 知らないのかい、ま いいだろう教えてやるよ。」

トネネ
「本当か!?」

ずささ
「あれは、昔まだ俺さんが夢の国で生きていたときだったねぇ・・・」

________
過去

そうさ あの時ネララはまだ小さかったさ俺さんからみた感じではね
でもあいつは厄神として皆に嫌がられたさ・・・厄が降ってくる、ってね

実際、俺さんは厄には遭わなかったが、村人から聞いた話だと
感情で雷を落とす、触れた相手を病気にし酷いときには殺すような病気もあった
他にも通り道の草木を枯らす この事件はこの国で起こった事件の中で一番酷かったものだったさ

なにしろ俺さんも松の生命を操る事が生きている間できたモンでね
そん時は運が悪かったのか通った道に俺さんの松があったんだ
結果は言うまでもないだろ? そう、俺さんはそん時この国からはいなくなっててね
そのあとは、ま プライベートだから言えんが・・・こう死神になっちまったもんだよ

え? 恨みは・・・ないね。
なぜかって? いやぁ、俺さんも悪い事しまくったからさ。

おっと、話がそれた

知り合いと言っていたがあれは少し嘘なんだ
俺さんは死んじまったからここの彼岸花畑に身を寄せ生活しているうちに
あんたの師匠ネララのことを他の死んだやつらから上手く聞き出した

そん時聞いたのが
ネララに友達と言うものが出来た リココと言うみままの実の後継ぎがね
みままには子どもがいない、だから村人の中から決めるって言ってたな
俺さんはその子のことはよく知らんがそう聞いたんだ

その二人は何らかの事柄で仲良くなった
一緒に遊び 一緒に暮らしまでしたんだとよ
すごいよな厄神を恐れないなんたてさ 俺さんには出来っこない。

次第にネララはこの国でも受け入れられた
考え方も暮らしの仕方も変わって言葉使いも変わったそうだ

だが、この国にまた事件が起こり始めるんだ

それはこの国に魔女がやって来たんだ
そいつはこの国を焼き払うか、リココと言う娘を渡すかという条件を出してきた

無論、どっちも嫌なわけだよな

みままちゃんは戦ったさ、この国を守る先代姫(せんだいき)としてね

でも結果は駄目だったんだとよ
国を守るか、後継ぎを守るか 悩んでいたさ
そして結果はリココを渡す事にしたんだとよ

この国のためだって・・・ね

反対したやつももちろんいる たくさん
その中でもネララってやつはは特にね。

そんで、魔女は後継ぎを自分の手下にしたんだと
記憶も消してね すべて 家族 友達 生い立ち 感情 

酷い話だろ? ま 俺さんが知っているのはそれだけなんだ
これぽっちもないだろう?

みままちゃんとっても悲しんでいた 恨みもしたはずだろうね

だけど顔には出さなかった 出してはいけないって思ったんじゃないのかねぇ
これは俺さんの推測なのだが。

____________

ずささ
「ま、これだけさ 俺さんの知ってるのは。 あとはネララに聞いたらいいと思うよ。」

トネネ
「・・・・そんなことが。」
(これで、すべてが解ったって訳じゃないな、魔女の正体は知っている あいつだ。)

ずささ
「で? 魔女ってやつは知ってるのかい?」

トネネ
「・・・・それは」

その時私はあえて言わなかった 
あいつを守るため? いや、今の生活がもしかしたらなくなってしまうと思ったから
みんなで笑ったり ご飯を食べたりいろんなところに旅をした思い出がなくなってしまいそうだから
オマケに、お師匠様も悲しむしな

ずささ
「そうかい、だったら聞かないね。俺さんは余計なことは聞かないさ。」

トネネ
「聞かせてもらって 感謝する ありがとう。」

ずささ
「ふ、 あはは おまえさんったら あははははは」

トネネ
「!? な、何がおかしい!!」

ずささ
「いや、 ははは 失礼、感情を出さないやつと思っていたのに ありがとうとはね うれしいぜ俺さんはよぉ。」

トネネ
「な、当たり前のことをしただけだろ! お前は私が感謝しないと思ったのか?」

コクコク とずささはうなずいていた
こっちが段々恥ずかしくなってきた、まったくこいつは本当に死神なのか?

???
「コラッ!! ずささっ! 早く仕事に戻らんかっこの馬鹿者がっ!!」

ずささは「げ、えまちゃんだ、まったくせっかちなんだからねぇ。」とつぶやいていた
えまちゃん? こいつの上司? えまって何なんだ?

まぁ、私には関係ないが 少し寂しいな


ずささ
「さてと、俺さんは仕事しなきゃね、おまえさんも気をつけな。」

トネネ
「また、ここに来てもいいか? 今度は・・・」

ずささ
「あらら、今度って死んだときだかい? ま、巫女がいれば別の問題なんだがね。」

トネネ
「死ぬって 縁起でもないことを。」
(ま、それもいいかもね 冥界に友がいるなんて珍しいし)

ずささ
「ま、俺さんはお前が気に入ったよ。 ここにきたときはいつでも歓迎する。」

トネネ
「あぁ、その時はよろしく頼む それでは。」

わたしは右手を差し出した
握手は厳禁なのに それでもずささは笑いながらわたしの手をひこっめろとは言わずに
握手ではないが両手で握ってくれた ずささのては冷たかった 氷のような温度が体温に伝わってきた
ずささはわたしの手を「暖かいねぇ、握手なんて何百年ぶりだろうか」と言っていた

しばらくして遅くなったわたしをらななが迎えにきた
彼女には少しおどろいていた なぜなら死神と握手(?)しているのが目に入ったのだろう
それに気づいたずささはわたしに「もう行きな」といって三途の川へ向かっていった

結局 これがずささと会うのは最後だったのだがね

らななは「何をしていたんですか?」と聞いてきたが
ここでもわたしは「いや、なにも。」と言ってしまった
すごく重大で悲しいお師匠様の過去 知ってしまった
お師匠様が「知るな、解るな」と言っていたが わたしは知ってしまったんだ

またしばらくしてく暗い穴の中を進んでいった
わたしは胸と頭がいっぱいになった
暗闇とか幽霊とかもうそんなものどうでもよくなったのかもしれない

道を行く先に灯りが見えてきた夢の国が見えてきたのだった

らなな
「もうすぐ着きますよ。」

そういってあたりは白くなった わたしはまぶしさに思わず目をつぶってしまった

ネララ
「ん? あれは・・・・トネネ!?」

わたしたちの戻ってきた先はなぜだかお師匠様がいた

らなな
「あれ? ねらら様どうしてこちらに?」

ネララは「いや、宴会もお開きって訳でね。」と言っていたが
あれは嘘に決まっているさ わたしにはわかる

らなな
「もう、朝方になるんですね では、お2人方わたしはこれにて。」

そう言ってらななはみままのお屋敷に向かって走っていった

ネララ
「トネネ、どこにいたんですか? 探しましたよ。」

トネネ
(やっぱり、探していたんだよね。)

わたしはお師匠様のそばに駆け寄った
着ているふくはなぜだか濡れていた

トネネ
「泣いていたのか? お師匠様。」

ネララ
「い、いや! 違うぞ! 私は寂しくて泣いていたんじゃ・・・・あ。」

トネネ
「嘘つきなのは、昔と変わらないね、お師匠様。」

ネララ
「いや、私は嘘つきだ。 隠し事だってたくさんある 償わなくてはならない罪だって数え切れないほどやってきたさ貴方と出会うまではね。」

トネネ
「同感だ、わたしもそうだったさ。」

風が頬をなでるように吹きぬいていく
私は改めてお師匠様に聞いてみた
リココとの過去を

その時 お師匠様は何も隠さず話してくれた
辛いのも苦しいのも解ってる でもわたしに話してくれた

ネララ
「本当は 私だって苦しかった どれだけ憎んでも憎みきれないんです、魔女を、セララ様のことが。」

トネネ
(! やはりセララだったのか、まぁ驚くわけではない 把握はしていた。)

ネララ
「でも、彼女は、リココは記憶を消されてしまった。何もかもどこでどうやってどうして生きてきたかも、そして私のこともね。」

またネララは泣き出す声には出さないが思い出すのが嫌なのだろう

トネネ
「でも、これからだと思う。 決して辛い事が始まったわけではない事知っているだろ?」

ネララは涙をぬぐいながら「えぇ、本当に。」と言っていた
確かに何年か前私たちは出会いそして魔女を懲らしめるためにここで夢の国で修行をした
でも結果は敗北した 目の前には見えていたのだがね。

トネネ
「さぁ、行こうよ。私たちが帰る場所に。」

ネララ
「えぇ、・・・でも、もう少しここにいましょう トネネ修行を始めましょう、もっと強くなるために。」

トネネ
「わかった。」

こうして私たちの修行は始まった
ここ 夢の国に来た本来の目的であり強くなるため大切な人を守るために


__________

???

???
「ふぃ〜 ようやくケロン軍を抜けられたよ〜・・・・さてとこれから
どうしようか?ケロン星に戻りたくもないしね」

大空の中で空中バイクに乗っているのは紫のバンダナをしてオレンジの眼鏡をかけた少女

???
「でもなぁ〜地球に行くのも嫌だし〜・・・・お!!」

見つけたのは空飛ぶ船だった

???
「わおっ! 船!? 空飛ぶ船じゃん!! すごいすごいっ」

謎の少女は一気にバイクのエンジンを燃え上がらせ船にちかづいってった


                 続く