1通目 村を抜け出す

ここはどこ?
とっても暗くて広い場所 どこまでも続く青く冷たい

ヒカリなんて見えない 見えもしない 見たくも無い

どうしてまたここにいるんだろう

どうしてまた嫌われなきゃいけないんだろう

どうしてまた恨まれたり憎まれたりしなきゃいけないんだろう

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???
「ミムム、起きなよ。 朝だよ」

ミムム
「ん・・・朝? もうお日様が昇ったの?」

 ここは私の家 
いつもと変わらない朝 平凡すぎる毎日

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そう これは私の記憶にある昔の一部 
幽霊に 海の亡霊 あの人の仲間になる前の物語

ケロン人もマロン人も信じられなくなった私へ新たなヒカリをくれた大切な人への物語

忘れてしまった 大切な人への物語

もう どれぐらい時間が経ったのだろうか? 何回季節の繰り返しをしたのだろうか?
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そして今から始まるのは私の小さいときの物語




???
「いい加減、自分で起きないのか?ジススも何か言わないのか?」

ジスス
「まぁまぁ、兄さんミムムはまだ小さいんだからいいじゃないか。」

ミムム
「そーだよ。子供なんだから〜、固いこと言わないでよ、ルヴァヴァお兄ちゃん。」

ルヴァヴァ
「・・・今回だけだぞ、まったく」

当時私はまだ5歳 ルヴァヴァお兄ちゃんとジススおにいちゃんは双子の兄弟で私とは4歳離れていた
家族はこれだけだった お母さんもお父さんも忙しい理由で滅多に会えないのが生きていて唯一の苦しみだった
他にも苦しいことはたくさんあった

ひどいといえば私たち兄弟はケロン人とマロン人のハーフで今生きている村では差別が激しかった、無論ケロン人はお断り
暮らしているところはマロン星なのだが ここでは基本マロン人しか暮らせないらしい
それでハーフもお断りなのだがだからお兄ちゃん達も学校には行けないし私も幼稚園なんて夢のまた夢

そう言えばまだ家族の事を言ってなかった
父はケロン人 母はマロン人
どういう理由で結ばれたのかは知らないがこうして我ら兄弟が生まれた

今は3人で母の暮らしていた家にいる
世間では何とかやっているのだが上手くいかない、なんせ私たちもまだ子供だから

でもお兄ちゃんたちはかなりの知恵があった
ルヴァヴァお兄ちゃんは口は少し悪いが本当に頼りになるし運動や力仕事に長けていた
ジススお兄ちゃんは優しくてお母さんみたいだった、数字にも文字にも強かった、マロン語はもちろんケロン語もお手のものに読めるものだった

それに比べて私はまだ何もできない 迷惑をかけるのは一人前、って言われる
でもこれから見つけるんだ・・・これから

きっとこんな私でも何かの役には立てるんだ 

でも現実はそう上手くはいいかないことは知っている 学校に行けないのも自由に外で遊べないのもその 差別 が原因なんだ



ある日の夜の事
私たちはいつものように本を読んでいた知恵をつけるために
現実世界で生きていくために

それでこんな話が出た

ジスス
「大きくなったらどうしたい?それとも何をしたいんだい?」

私は兄のルヴァヴァを抜いて喋り始めた

ミムム
「私はね〜 私はね〜 世界を旅するの! 船に乗ってさ、いろんなものを見たり、いろんな人に会ってみたい。」

ジスス
「うん、いい答えだねミムム。 ・・・ルヴァヴァは?」

ルヴァヴァは少し考えた後、こう切り出した

ルヴァヴァ
「・・・オレは、差別の無い世界を作りたい、いや作るんだ。絶対にもう誰も悲しまないように境界も壁も無い世界。」

ジスス
「ボクもそれがいいと思う。だよね?ミムム、ないほうが暮らしやすいし自由に笑ったりできるからね。」

ミムム
「・・・・本当に、それがいいのかな・・・」

ジスス
「・・・え? どう言う事だい?」

私の言った事には2人の兄はかなり驚いていた 普通の子供なら「そうだね」と解答するのが多い思う
それなのに私はおかしい解答をしてしまったのだろうか?

ミムム
「あのね、ルヴァヴァお兄ちゃんが言ってるのは確かに間違いじゃないと思う、私だってそれが幸せだと思う、でも・・・。」

そのあとは上手く喋れなかったあまり言葉を知らないのが(特に)会話に影響が目立った
自分の感情にもその影響は大きかったらしい

言葉って大切なものだって あとで後悔すのだった

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確かに差別の無い世界は誰だって望んでいるはず・・・だといいが

実際このマロン星も科学の発達も文明も歴史も少しだが増え続けている
その中でも軍力は他のものより大きかった、特に海軍が。

実際、争いの無い国が一番いい 誰も傷つけず平和な世界が望ましい
それもこの国のある王子が望んでいる事・・・だとか。

その王子は、はるか遠く太陽の三番目にある地球に行ったことがあるらしい
本当のことはよく知らない これも兄ジススに聞いた話なのだが

その王子と側近は地球である調査をした、だが地球人の文明や技術は海ではなく地上にあった。あるときケロン星と言う星の破壊兵器キルルというケロン人型兵器を持ち、
日本という国のとある深海に自分と側近と暮らし自分の持つ力メアボールで創造し神殿を作り上げた
目的は全地球人を海の民にする事 それが一番の幸せだと 言ったそうだ
それも自分に利益のためなのだろうか? 
そしてとある地球人の女と契約を結んだ・・・しかし
とあるケロン人の工作部隊と一緒にいた地球人によって契約は止められた
最終的には破壊兵器が暴走したがそこにいたケロン人の隊長がケロン軍最高完全絶対権限その名も「超☆隊長命令」によって破壊兵器は暴走をスットプさせた 

今このマロン星には当時側近だったものが現在は王女と言う形でこの星を治めている

これが切欠でケロン星とマロン星の間に大きな影響が生まれ始めた

結局、何を どの様な目的で侵略して言ったのかはわからないし はっきり言って私にとってはどうでもいいことだった
こんな事をしても私たち兄弟の運命 差別は変わりもしないもの 


本当に 真実は正しいか? それは理想じゃないのか? と私は小さいころから疑問に思っていた

私たちの暮らしているところはまだその思いが叶っていない これでは死ぬまでずっと理想を追い求める事しかできないじゃないか!

でも 小さい子供だったこと 大人に逆らう事も はむかう事もできない

だから 逃げることにした 

でもこれが 悲劇の始まりだった 
これからどう生き 生活するなんて考えもできなくなった

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その日の夜

ルヴァヴァ
「・・・忘れ物、はないもんだよな。 ここにはもう帰らない、二度とだ。」

ジスス
「そうだね。 じゃ行こうよ兄さん、ミムムも。」

私はその時のことをよく覚えてない 覚えていたことはジススおにいちゃんに手をひかれて歩いていた事

ミムム
「お人形・・・。」

突然私は母の形見でもあった人形を思い出した

ルヴァヴァ
「ん・・・持って来ている。」

ミムム
「ありがとう。」

そう言って私に人形を差し出した ぶっきらぼうで怖いところもあるが私にとって大切な兄。


村を抜け出し 海にでた 辺り一面どこまでもつながっている海
基本この星は水で満たされ水がないと文明も軍力もなかった

小さかった私はまだ満足に泳げなかった
私はルヴァヴァに抱えられて海に入った


青く綺麗な海と思うのは昼間だけ
夜の海は何でも飲み込んでいきそうな怖いところ

そして 命を奪う場所

ずっと一緒にいたい
そんな兄たちとの別れもすぐそこまで見えてくるのは言うまでもなかった