宴(うたげ)のはじまり 中編

らなな
「着きました。」

トネネ
「・・・綺麗」

あまりの美しさにわたしは思わず声がでた
こんな綺麗な彼岸花・・・見た事がない

でも・・・冥界なんだよな〜

???
「おや?」

向こうからこちらに誰かが近寄ってくる

らなな
「あ! ずささ様。」

大きな鎌を持ってるってことはし・・・死神っ!?
こ・・・殺されるのか!?

ずささ
「ん? よお、ようやく来たか、待ってたぜ・・・ん? 今日は付き添いがいるのかい?」

らなな
「あ、そうでした。 トネネ様です トネネ様、こちらのお方はずささ様です。」

トネネ
「よ・・・よろしく・・・お前、死神か。」
(ふ・・・・震えてるぞ・・・・おちつけおちつくんだ私・・・)

ずささ
「ん? 俺さんは殺しゃしないよ、死神ってこういうイメージがあるからな・・・・なんでだろうかね。」

はは っと笑いながら私に手を差し伸べる 随分と気楽な死神だこと・・・
握手を交わし3人は進んでいく

らなな
「さぁ、わたしはお仕事を始めないとね・・・で、ずささ様今日の人数は?」

ずささ
「ん〜ざっとみて80〜90ってとこかな・・・?」

トネネ
(っ!? 多すぎだろ!)

らなな
「ん〜この前よりは・・・・少ないですね。」

トネネ
(えええ!? 少ない!?)

ずささ
「あぁ、終わったら教えてくれよ あ、らなな、あのばぁちゃんがまだわたりたくないって言うんだなんとか説得してくれないか?」

らなな
「えぇ!? この前・・・・あぁ、わかりましたよ ではトネネ様、私仕事してきます。」

そういって彼女は仕事をし始めに向こう側えへ行ってしまった

ずささ
「ん〜俺さんたちは何をしゃしょうかね? お嬢ちゃん。」

トネネ
「お・・・お嬢ちゃん!?」

ずささ
「おろ? 呼び方気に食わないのかい?」

トネネ
「い、いや・・・」

正直、初めて呼ばれたからな・・・少し恥ずかしいな。

トネネ
「ずささと言ったな、私のことはトネネでいい、そのほうが私に合ってるから。」

ずささ
「了解しやしたよ、トネネのお嬢ちゃん。」

トネネ
「・・・それでもいいか・・・。」

__________

らなな
「ふぅ・・・これでやっと60人くらいかな?」

でも・・・
全体的に数が減ってるな、一体何が合ったのだろうか?
いつもなら300人はいるのにね

一号
「あ、姉さん!ここにたんでやんすか?」

らなな
「一号・・・一体どこで油売っていたの?」

一号

「二号と三号が遊ぼって言ってたでやんすから。」

らなな
「・・・・まぁしょうがないわね、で? その二人はどこにいるの?」

一号
「えーっと・・・あ、ずささの兄貴のところに行くって言ってったでやんすね。」

らなな
(けっきょく、振り出しに戻るの・・・ね)

らななは辺りを見渡す・・・今日はもういないわね
本当ならもっといたはずなのに・・・

___________

ずささ
「しかし、お嬢ちゃんがネララの弟子・・・だったとね、俺さん驚きだぜ。」

トネネ
「そ、そうか?」

光栄なことなのか?
わたしは思い切ってお師匠様のことを聞いてみた

ずささ
「ネララか・・・あいつは厄神ってことは知ってるよな?」

トネネ
「あ、ああ。 知ってる近くにいると厄がね・・・。」

ずささ
「あいつ、何年前だったかね? 確か、リココ言うみまちゃんの・・・」

トネネ
「り・・リココ!?」

リココ無論聞いたことはあるとは思ったが・・・どうしてあいつがこの国にに!
服装だって和服じゃ・・・なかったはずだったが・・・なぜ?
わたしは驚きの表情を顔に浮かべる

ずささ
「あ、あれ? 俺さん変な事言いやした?」

トネネ
「あ、い いや。」

ずささ
「なんか心当たりでもあんのかい?」

わたしは黙ったままだった じゃあ、お師匠様が探られたくない事って・・・ここに来た理由はこの事か?

トネネ
「詳しく聞きたいんだが・・・」

???2
「兄さんじゃないか!」

突然私の声は向こう側の声でさえぎられた

ずささ
「ん? 二号じゃねえか・・・それと三号。」

二号
「ここにいたんだね・・・探したんだぜ。」

三号
「兄(あに)様! 私もですよ〜」

次から次えと子供の数が増えていく一体ここにはどれぐらいの子どもがいるのだろうか
いや・・・・それよりもこの二人は私に興味があるらしい
一人目が口を開いた

二号
「あんた、誰だ?」

これが挨拶・・・か
片側の男の子のような幽霊(?)は・・・私にそっくりだ・・特に言葉使いがね。

三号
「ちょっと、二号! お客様だと思う・・・いや、お客様だわ! 失礼じゃない。」

うむ、こちらの幽霊は女の子みたいだ まあ髪飾りに花をつけている
しっかりしていて 真面目な女の子

ずささ
「おう、お客様だぜぇ・・・ネララのとこのな、あ・・・おめえらは知らないか。」

三号
「すみません、存知ないですね。」

二号と言う男の子も「しらねえな」と言っていた

トネネ
「トネネと言う、修行(?)のためにこの国に世話になっている、まぁよろしくだな。」

わたしはそういって右手を出した

ずささ
「おっと、トネネのお嬢ちゃん、悪いがここで握手は厳禁なんだ、まぁ なんというかあの世に連れて行ってしまうからな。」

二号
「なんだ、おまえそんな事も知らないのか・・・まったく。」

三号
「あ、あ、き 気にしないでください! 二号は悪気があっていったわけじゃないので。」

まぁ、正直言って腹にきたがしょせん相手は子供・・・だしな
それにしてもここは本当に不思議な場所(空間)だ
少し推理してみる

ずささから聞いた話だと
ここは彼岸花畑 死者が三途の川を渡るのに待つ場所
ここには朝も昼も夜も無いつまり時間も関係ない
ここにいると夢の国との時間差は無いこっちが昼であったら、あちら側も昼
ここには死神がいるそして三途の川を渡り終え閻魔様のいる裁判所があるらしいが・・・創造がつかない
ずささは「怖くはないぜ 閻ちゃん可愛いしな」 可愛いものだろうか? まぁそれはさておき
ここには(現在)三人の子どもがいる初めに会った一号、次に二号、三号
昔、聞いた話によると、子供は親より先に亡くなると三途の川を渡れない・・・
それが本当なら・・・でも今の2人の表情をみると悲しんではいない

まぁ・・・こんなものだろうか。


私は思い切って聞くことにした
ずささではなくみままに・・・・
リココとおお師匠様の本当の真実を。

私は次第に時間を気にし始めた

そこへ仕事を終えたらななが一号とともに帰ってきた
一号を見たとたん二号と三号の三人はまた三人で遊び始めた


そしてどこかに消えていった
仲のよい幽霊だったな・・・・幽霊? 幽霊!? 

私の顔は少し青ざめていた
結局克服は出来なかった
まだまだ修行の道は遠いな

ずささ
「あらら? 幽霊ダメだったけ?」

らなな
「あ、そういえばダメ・・・だったみたいでしたね、大丈夫ですか?」

トネネ
「あ・・・ああ。」

ずささ
「さぁさぁ、俺さんも仕事しないと閻ちゃんに怒られるんでね、らなな、トネネのお嬢ちゃんまた来いよ。」

らななはうなずくとさっき来た穴に向かって歩き出した
私も彼女のあとをついていく

トネネ
「あ・・・待ってくれないか?」
私はらななを待たせるように言った
彼女は「少しだけなら」と言っていた

私はずささに用事があった

ずささ
「おや? 何のようだね?トネネのお嬢ちゃん」

トネネ
「じ・・・実は。」

             続く・・・