過去 前編

わたしは母が大好きだった

ずっとずっと一緒にいられるんだ

そう思って生きてきた

でもそんな望みは壊された・・・・人に


わたしは許せなかった 普通の人の父までもそいつらは殺した

わたしは 嫌いになった 

人が・・・

どうして? ねぇ、教えてよどうしたらこの恨みを開放できるの?

そうか・・・××ばいいのかなぁ・・・?

そうしたら人は一体どうなるのかなぁ・・・?


_______

リュナナ
「お母さん 大好きだよ」

リュナナの母
「あら、ありがとう。 わたしもリュナナが大好きよ。」

リュナナ
「本当? うれしいなぁ〜」

リュナナの母 彼女はケロン人の妖怪
お母さんはとても優しくて強い・・・
わたしの大好きなお母さん

わたしはケロン人と妖怪のつまりハーフである

わたしにはもうすぐ弟か妹ができるらしい
そうしたらわたしはお姉ちゃんってものになるらしい

すごく楽しみだ 待ちきれなかった


やがて時は過ぎて

わたしはお姉ちゃんになった

リェノノの母
「妹のリェノノよ・・・これからよろしくね。」
母の腕では新しい家族が寝息を立てていた
とても幸せそうだった

リュナナ
「わぁぁ・・・・」

わたしは言葉に出来ないぐらい嬉しかった




妹が産まれて 数年後・・・・・

わたしもリェノノもずいぶんと成長した
わたしは大体のことは理解できる歳になった
妹のリェノノはまだまだ子供


「リェノノ、ちょっとこっちにおいで。」

リェノノ
「なぁーに?」

母は手招きしてリェノノを呼んだ


「リェノノ、これをあなたに・・・。」

そういって母はリェノノの耳に飾をつけた
ずいぶん古いが立派な大樹から出来たお守りだそうだ

でもわたしは知っている
それの本当の意味を・・・・なぜリェノノがそれをつけなきゃいけないのかを・・・

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時はされにまた戻り・・・
妹が産まれる前のこと

リェノノが産まれる2日前の夜の事だった
母は家をでていた わたしは父と一緒に家にいた
妖怪が妖怪を産むときは姿を消すものだ・・・と父が言っていた

わたし達は家で母の帰りをまっていた

そのときから事件の歯車は廻っていた・・・
ゆっくり、ゆっくりと・・・


「おまえも、いよいよお姉さんだな。」

父はそういってわたしの頭をなでる
父は普通のケロン人 とても優しくていつもおてんばのわたしと一緒に遊んでいた
なぜ父が妖怪の母と結ばれたのか・・・
わたしはよく知らなかった
でもふたりを見ている以上とても仲がよくて見ているわたしも楽しかったのが記憶にある

リュナナ
「うん。 でも妹ってなんだ?」


「うーん、家族かな? 決して離れられない運命の・・・」


ざわ・・・ざわ・・・


「・・・!」

足音が聞こえてくる 何人も大勢な足音・・・
わたしは恐怖を感じた

リュナナ
「お、お父さんっ・・・」


「しっ! 静かに!」

震えるわたしを父は戸棚に隠した


「いいかい? よく聞くんだよ?」

リュナナ
「おとうさ・・・。」

父から聞いた言葉ははっきり耳に残しておく事ができるわたし
これも母の・・・・妖怪の特殊能力のひとつ

不安と恐怖
そして・・・

父から聞いた言葉は後のわたしの使命となり そしてこの世をいきるリストとなった

話を終えたあと父は笑いながら扉を閉めた

これが父を見た最後の時だった

やがて静かになりわたしは恐る恐る戸棚の扉を開けた
しかし、父は帰らぬ人となってしまった

今まで、3人で暮らしてきた家は紅く染められ
わたしの入っていた戸棚の取っ手にも血液がべっとりと塗られていた

矛盾なことに父の亡骸は見つからず
わたしは辺りを何度も何度も探しに行った

大好きだった父が殺された・・・
同じケロン人に・・・なんで!? どうして!?
わたし達は同じケロン人でしょ!? 何で殺しあうのさぁぁ!!

力? 富? 金? 名誉? 財力?  

ほんとお前らって馬鹿みたい・・・

なんで!? なにもしていないのに

わたしから笑顔を奪うの!?

嗚呼・・・ あああああああああああああ

______

数日して母が帰ってきた
新しい家族・・・妹を抱いて

母はとても悲しんでいた
顔には表情を出さないが
かなりの憎しみを抱いているようにも見えた・・・


そして決めた
これからは3人で生きていいくんだって

復讐を・・・

幸せを奪ったあいつらに復讐を!

でも母は戦いや争いは望まなかった

どうして!?
幸せを・・・笑顔を奪ったあいつらなのに!

幼いわたしはそのことを上手く理解できなかっただけ

でもその恐怖の歯車はまだ止まらなかった
そのスピードは衰える事なく急加速で廻り続ける

そしてわたしはこのことを一生 いや、自分の体が朽ち果てようとも忘れないはずだろう
                       続く・・・