第2章 第2話  夕暮れと共に

※今回も百合表現有。(?)

ガラっ

セララは思いっきり操縦室のドアを横にひいた。

ミムム
「!?っ」

リュナナ
「ん? セララ?」

首をかしげるリュナナは操縦室のミムムが座る場所にチョコンと座っていて
ミムムはぼーっと立っていた。
おそらくミムムにもこの状況が分かってないはず。


セララ
「・・・・あら?」

おかしい・・・私の予想とはずいぶん大はずれね。
心の中でそう思いながら操縦室の部屋に足を入れ始める。
と、同時にリュナナがあけた天井を見つめる。

セララ
「一体、これはどういうことなの? もちろん説明できるわよね? リュナナ?」

いつもは笑顔でいるセララも今日という今日はかなり怒っている、表情は穏やかだが声がまた怖い。

リュナナ
「・・・あはは。(ちっ、今日も説教かめんどくさい)」

ミムム
(うぁ・・・今日も説教か、本当に毎日あきないよね。)

セララ
「さあ、リュナナ私の部屋に来なさいな。」
ニコニコした表情を変えずにセララはリュナナを部屋へと誘導する。

リュナナ
「後でじゃ駄目か?」

セララ
「駄目。」

リュナナ
「なんで?」

セララの怒りも知らずにリュナナは聞き返す。

ミムム
(はわわわわ・・・この空気耐えられない、何でリュナナは素直じゃないのよ。)

こうなったら・・・・

ミムム
「あの〜ちょっといいですか?」

セララ
「何かしら? ミムム。」

くるっとセララの視線がミムムのほうを向いた。
同時にリュナナを手招きする。


ミムム
「あ、あ、セララはどうぞお先にご自分の部屋にお戻りに、私がリュナナを説得した後に必ず連れて行きますから。」

リュナナ
「はぁ?」

ミムム
「黙っててよ。」

どうやらこの2人の会話はセララの耳元までには届いてないようだが。

セララ
「・・・分かりました、では部屋で待てますよ。」

ガタン

ふぅ・・・
ようやく一安心だがどうやってリュナナを説得させようか?
私もセララを裏切ってはいけないし裏切りたくもない・・・・。

リュナナ
「ちょっとぉ〜どういうことなのよぉ、なんであたしが説教受けなきゃいけないのさ。」

ミムム
「・・・あのねぇ・・・。」

やれやれ、手間がかかるやつだなぁ・・・。

ミムム
「天井突き破ったのリュナナ、あんたでしょう?」

リュナナ
「そうよ、このあたしだよ。」

なんという自信家・・・。
あきれるがミムムはミムムなりの説得を続ける。

ミムム
「やっちゃいけないことだって分かるよね?」

リュナナ
「え? まあ・・・そうだけどさ。」

まぁ、今日は彼女なりにも反省している・・・・か。

ミムム
「もう天井破らないって約束するならなら、ご褒美にあんた何が欲しい?」

リュナナ
「・・・・・。」

ミムム
「お菓子? 好きな場所にでもつれていくよ。」

リュナナ
「・・・・あんた。」

ミムム
「・・・・は?」

意味がわからない、ミムムは瞬きを小刻みにする。
うち? なんで?

リュナナ
「分からないのか?あんただよっ///」

たたたたた・・・・
そう彼女がつぶやくとセララの部屋へと向かった。

部屋を出て行くとき

リュナナは小さく「バーカ・・・・」と小声で呟いた。


ミムム
「私・・・?」

                                      • とある地球の図書館。

???
「この本、ずいぶん古ぼけているわね。」

???
「そうですね、でも貴重な資料なんですよ。こういうものは大切に扱わなくては。」

バサッ
大きな紅い本をゆっくりめくる。
かなり古いので題名がかすれて読めない。
ページも文字もかなり黄ばんでいる。  

???
「ふむ、・・・・これは、かなり私でも読むのが難しいです・・・ね。」

さっそく読もうとしたが行き詰まりなってしまった

???
「無理なの?」

幼い主人が女執事を不安げに見つめる。

お嬢様を悲しませるわけにはいかないなんとか読まなくては、でもどうすれば。
緊張とあせりがでる。

ふと時計に目がいく時は6時
もうこんな時間図書館が閉まる時間。

しかも長旅で私達も休憩をとっていない
幼い主人にも顔には出ないがきっと疲れているのだろう。

???
「お嬢様。」

???
「なにかしら?」

???
「あの、その、もうこの図書館も終わってしまうのでこの本はホテルに着いてから読みませんか?」

???
「そうね・・・ねえ、この白雪姫だっけ? 借りていってもいい?」

???
「そうですね、せっかくなので地球の童話でもお借りになるのも勉強のひとつですね。さっそく手続きをしてきます、すこしお待ち下さい。」

女執事はフロントへ向かった。

数分して手続きが終り二人は今日泊まるホテルへ向かう。
もちろん車も持っていないので徒歩でホテルへ向かうもちろん予約済み。

西の空からはとっくに夕日が消え、東の空から月や星々が浮かび始める

今夜は満月のようだ

???
「すっかり暗くなったわね。」

???
「ええ、早く気づいていればよかったのに、本当にすみません。」

???
「大丈夫よ、地球の夜もなかなか素敵じゃない? あなたはどう思うのよ?」

???
「私はですね・・・。」

ビクっ
突然女執事に電撃のような激痛が襲った。
同時に彼女に過去の記憶がはしった。


???
「!?っ うっ・・・。」

その場に女執事は頭を抱えてうずくまる。

???
「ねぇ!! 一体どうしたのよ?」

あせる幼い主人

体が言う事を聴かない。
どうして!? こんな事あの日以来なかったのにっ!

スベテヲヤキツクセ コワセ ナニモカモコワセ

コンナセカイコワシテシマエ

呪われた呪文のようなものが頭を横切る。

???
「くっ・・・うう。」
(お嬢様には迷惑かけたくない・・・)

???
「ねえ! ミググっ!しっかりしてよぉ!」

ミググ
「っ! ・・・お嬢様、今私の名前をっ。」

とうとう言ってしまったか、地球に行くときは絶対に名前を呼ばないようにとあれほど言ったのに・・・・。
しかたがないか・・・

同時に頭痛も消えていく

ミググ
「・・・、お嬢様私はもう平気ですよご心配をかけてすみませんでした。」

???
「・・・・・・・。」

無理も・・・ないか、一応はじめてだからかしらね。

ミググ
「さあ、ホテルに着きましたよ、今日はゆっくり休みましょう。」

女執事に手をひかれ二人はホテルへと入っていった。


_______一方こちらは空飛ぶ船から少し離れた上空。
こちらももうすぐ夕暮れ時。
空は思った以上に寒い。


リココ
「ムキュ? 今喋ったでしょう?」

ムキュ
「・・・・・。」

彼は無言のまま黄色の瞳でリココを見つめる。

リェノノ
「あの、リココさん何かあっちのほうから来ます! 大きな雲・・・しかも黒いです。」

リココ
「え? 何も見えないけど・・・。」

考えてみればリェノノは一応妖怪の血が流れている私達不通のケロン人よりは視覚、聴覚などが発達しているし。

気づけばいつの間にか夕暮れが来ていた、少し先にネララとトネネが見えた何をしにいくのだろう?
こんな時間にと思ったが
とにかく考えるのは後。

リココ
「分かったすぐこの場所を離れるようにミムムにいいに行こう。 さ、ムキュリェノノも運んで、リェノノしっかりつかまっていてね。」

リココはリェノノに手をさしのべる。
リェノノは妖怪だが姉のリュナナのように長い時間飛んではいられない。

リェノノ
「は、はい。」

ムキュはゆっくり降下する。

三人が最初に目に入ったのはリュナナがあけた大穴。

リェノノ
「ああ、またお姉ちゃんか・・・。」

リェノノはため息をつく、リココは苦笑いをしながらミムムを呼んだ。
そして事情を話し始める。

ミムム
「うーん、なるほど。 分かったよ今すぐ船を動かすね、セララとネララに断ってくるね。」

ミムムは操縦室を後に最初にネララとトネネがいる修行室に向かった
セララの部屋ではきっとまだお説教が続いている・・・はず。

ミムム
「おーい、ネララァいるぅ?」

ガチャ・・・

だが修行室は誰一人いなかった。
あれ?おかしいなミムムは首をかしげる、するとドアに張り手紙があった。

_この手紙を見た方へ
少しの間トネネと一緒に夢(む)の国へ行ってきます。

ミムム
「えぇ?夢の国っ? 何でいきなり。」

_セララはこのことをお知りでしょう、他の皆さんはしっかりセララをサポートしてあげてください。
 しばらくしたら必ず戻ります。    ネララ

ミムム
「・・・・いきなりすぎるよネララ、 とにかくみんなに伝えなきゃ。」

セララとみんなのがいる部屋に足を運ぶミムムだった。
なぜネララが夢(む)の国へ向かったかはあとでわかる。

気づけば空飛ぶ船の外もいつの間にか星が浮かんでいた。
もう夜になってしまったのか
ミムムが思ったのも言うまでもない。
                 第2章 第2話 完  3話へ続く・・・・