暗い牢獄からの脱出

この物語には以下の注意が必要です

・グロ表現があり苦手な方は戻るボタンでお戻りください
・リンゴが独特に創造した話です 
・過去話

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ここはどこ?  わたしは・・・いったいどこにいるの?

グチャ・・・・グチャ・・・・

生々しい音が耳に入ってくる

い、嫌っ! 私こんな音聴きたくない!

メリ・・・・メリ・・・・

っ! いい加減にしてよっ!・・・

この音は一体誰が出しているの?

わたしは手元を見た

・・・ え・・・・血?

嗚呼・・・・

何で!? どうしてわたしが血を?  

いや、わたしには痛みが感じない、自分が傷ついてるんじゃないんだ

恐る恐る周囲を見渡す 自分の周囲を見渡す

???
「ひっ!」

わたしは恐怖感に襲われ声をあげてしまった
そう、自分の周りには人の亡骸(なきがら)・・・血に塗れたいかれた亡骸

???
「ああ・・・あ。」

恐怖でわたしは声が出なかった
どうして? どうしてわたしはここにいるの?

一滴の涙が頬を伝う 

???1
「おい! あの妖(あやかし)は当然ここにいるんだよな?」

誰の声だろう? 

???2
「当然、あんな化けモン牢屋に入れないやつがどこにいれる?」

どうやら男2人の声

じゃあ、わたしは牢屋の中なの?

男1
「ひひひ、こいつぁ皆に見せりゃ誰だって腰抜かして逃げていくさぁ・・・」

男2
「どうだろうかね? そら、あけるぞ。」

ギィイイイイイイイ
牢屋の扉が開き私の部屋に光が入ってきた

???
「!!!」

やっとわかった 牢屋の中にいるのはわたし、妖であるわたし
わたしは恐怖におびえ身をすくめていた

男1
「ほら見ろやっぱり妖じゃないか」

男2
「・・・暗くてよく見えないぞ、灯りはどこだ?」

男1
「ん、 そうか? 俺がとってくるからお前は見張ってろよ。」

そういって男は奥に進んでいった



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しばらくしても男は帰ってこなかった
あまりに遅いのでわたしを見張ってた男はわたしを見張るのやめ奥の方へ行ってしまった

今なら出られるんじゃ・・・・!

そう思った瞬間

男2
「ぎゃあああああああああ・・・・よせ! こっちにくるなぁあ!」

???
「あははははは・・・・あたしが妖怪だから? 食べられるから? あぁぁ!? 言いなさいよ!早くっ」

ああ、懐かしい声・・・・
わたしの唯一一緒にいてくれる姉の・・・

グシャ・・・

???
「あはは・・・あんたなんて主人(マスター)の飯にもならない・・・。」

手についた血液を見てつまらなそうな顔をする 

ドサッ・・・
死体は地面に転がった
もう起き上がらない可愛そうな亡骸達

カツン  カツン
足音が近づく

お姉ちゃん! わたしはここにいるよ ここにいたんだよ!!

バリバリバリバリ
牢屋の重たい扉が開いたよりは 壊れた

???
「・・・ここにいましたか・・・我がマスター。」

???
「もう、お姉ちゃん。マスターなんて呼ばないでよ、わたしはあなたの妹なんだから。」

???
「そうですか?・・・だったらリェノノお待たせ迎えにきたよ。」

リェノノ
「お姉ちゃん・・・寂しかった、痛かった、苦しかった。」

わたしは姉の雰囲気に馴染んだのか涙があふれて止まらなかった

泣いているわたしを姉は優しく包み込む

リュナナ
「お腹すいてない? 」

リェノノ
「うん、閉じ込められていた間は何も食べてないよ。」

リュナナ
「・・・これも母の、妖怪の血のせい、あなたは強いわ。あたしよりも・・・・」

人を喰らい生きていくこれが妖怪や妖の定めなのだろうか?
普通の人とは生きていくことが出来ないのだろうか?


リェノノ
「お姉ちゃんよりは弱いと思うよ、空だって飛べないしそんな力もない、ここからだって出れないわたしがお姉ちゃんより強いなんておかしいじゃん。」

リュナナ
「いいや、リェノノが母さんからもらった妖怪封じの木あるでしょう? ほら帽子についている茶色いの。」

これか、母さんが殺される前にわたしにくれたお守り
これを外すとわたしはわたしでなくなるらしい


リュナナは牢屋の周囲を見渡し顔をしかめる 

リュナナ
「・・・これ全部あなたが殺したの?」

わたしはしばらく黙ってしまった
だって、だってこいつらは悪いやつなんだ! わたしを殺そうとしただから・・・

わたしは閉じ込められているときの話を姉にすべて話した姉は理解してくれたようだ。

リュナナ
「ここを出ましょう、大丈夫 外の世界は怖くないわ あたしたち2人ならできる。」

そういってわたしの手をにぎる
あたたかい

そういえば、何でわたしが牢屋に閉じ込められていたんだろう
自分でもその記憶がない 一応姉に聞いてみた

姉は「え!?; 忘れたの」と言う顔をしていたが教えてくれた

一つはわたしが妖怪であるから

理由はもう一つあるらしいが・・・姉は黙っていた

牢獄を抜け出し外の世界
何もかも変わってしまった 時間って早いものなのね

星空がとても綺麗だ・・・
こんな夜はなにが出てくるような楽しい夜になりそうな予感がした
・・・が妖怪であるわたしが考えるのは少しおかしいかな?

リュナナ
「あ〜 やっぱり夜はいいわねぇ・・・。」

リェノノ
「まさか、お姉ちゃん誰かを食べたいなんていわないでよね?」

リュナナ
「え? ばれたのか・・・・。」

食べる気だったのか・・・・やれやれ 
世話の焼ける姉である


リュナナ
「う〜んなんか暇なのよね、楽しいことはない?」

そういって空を見上げる
何か飛んでいるようだ

飛行機? いや 違う大きな・・・船?

リェノノ
「!? すごい、すごい! 空飛ぶ船なんて素敵だなぁ。」

今日はいいもの見たな・・・

リュナナ
「! いいこと思いついた、あの船に乗せてもらうぞ!」

リェノノ
「・・・えぇ!?」

何を言ってるんだわたしの姉は!

リュナナ
「リェノノしっかりつかまってろ!でないと振り落とされないようにね。」

リェノノ
「ま、ままま待って いきなり過ぎr!」

わたしは姉に無理やり背中におんぶされた
姉は空に向かって急上昇 翼は生えてないが大空に舞い上がった

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???
「忌々しい妖怪め・・・ここはお前のいるところじゃない!」

???
「ここから出て行け!!」


???
「お前らなんていきる価値すらないんだよっ!」



・・・

どうしてみんな逃げるの?

どうしてみんなそんな酷い事言うの?

わからない・・・わからないよぉ・・・

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リェノノ
「お、お姉ちゃん? どうしたの?」

リュナナ
「はっ! ・・・何でもないよ。」

思い出しちゃいけない気がする

自分で決めたことなんだ

自分で決めたけじめなんだ

・・・・でもっ

リュナナ
「・・・・話してもいい?」

嗚呼・・・本当は話さなきゃいけないんだ

どうしてあなたが閉じ込められていたのかを・・・・

どうして一人ぼっちで泣いていたのかを・・・・

リェノノ
「・・・う、うん。」

リュナナ
「実はね・・・・。」 

                  続く・・・・