記事「幽霊事件」

漁師1
「見たか? この前ここら辺の海で化け物が出るって事」

漁師2
「あぁ、聞いた聞いた あれだろ? 海軍船員が死んだって言われてからだろ?」

2人の漁師は先日出された新聞を読んでいた
ここはその事件の海に一番近い砂浜だった

漁師1
「困ったね〜 近頃はこの海付近に漁とか旅に出る奴は奴に出会うんだってよ、んでもって」

漁師2
「止めてくれよ、縁起でもねぇな、海軍は化けモンにでもなったっていうのか?そいつが可哀想じゃねえか」

漁師1
「可哀想って、同情する気か? 止めときな呪われるぞ」

漁師2
「呪われるって、おまえこそ呪われるぞ?その、なんだ・・・お怒りに触れるってことだ」

漁師1
「お怒りねぇ・・・御払いとかしないのか?」

???
「御払いなんて、効きませんよ よろしかったらその記事私にも見せてもらいませんか?」

そこには黒いフードを被った女性が立っていた
理由は兎も角 2人の漁師は
その女性に新聞を渡すと久々の来客にお茶を出し始めた
「まぁ、すみません」と女性はいいながらお茶をすすった

2人の漁師は先日の出来事を彼女に喋り始めた
戦争が始まる事やここも非難区域に入ってることも

漁師2
「しかし、まぁ。お前さんも物好きだな、こんな目ぼしい場所に・・・観光かい?」

???
「えぇ、まぁ・・・そうなんですけど、連れと逸れてしまって。しばらくここにいると思います」

漁師1
「ここは非難区域だ。あんまり長居はしないほうが良い・・・ところで」

???
「あら、申し送れました。私セララと言います」

2人の漁師は目を丸くしていたが
セララを受け入れたかの用に別に驚く素振りはしなかった

漁師2
「兎に角、あんまり海に出無いほうが良い。最近は死者まで出るはめだからな。ここを使いたかったら使って良いぞ」

漁師1
「わしらはこれにて・・・」

そういいながら少し年を老いた漁師二人は漁師小屋を出て行ってしまった
生憎ここの漁師小屋は何でも揃っていて不便なところも無かった

当然であろう 私は魔法使いだからだ

オンボロで住み難い所はすぐ得意の魔法で甦らせてしまう

セララ
「ふむ、あのご老人漁師様は私のことを良くご理解していましたわ、流石ね」

そう言いながらセララは新聞を読み始める
先日この海周辺で海軍の一員が死亡した このことがセララを動かす大きな事件の始まりだった

自分が自力で探したことはもう実戦済みだったので残りはあの子にやってもらおう


私にはまだやる事が山ほどあるのだから

まずは 海にでも行ってみましょう

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ルアア
「先輩、どうして?」

ルアアは船の中で泣き続けていた
もう、あの日以来泣かないと決めたはずなのに 涙が溢れてくる

先輩は・・・ミムムさんは私をかばって海に身を投げたのに

そうやってまた思い出すと涙はいっそうに止まらなくなってくる

嗚呼、時間が戻せたらどれだけ幸せで、どれだけ楽な事なのだろう


そう、あの日あの時 先輩は・・・・

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その日は戦場命令でその戦場に航海する日だった
転校は生憎の雨だった

船は大きく揺れ転覆しそうにもなりかけた

ようやく雨雲を抜け辺り一面波は穏やかになりかけたが
私はどうしてだろう? あの時どうして海に落ちてしまったのだろうか?

まるで、誰かに引っ張られたかの様に

気づいたときには溺れて意識も無くなりつつあった

それで先輩は私を助けようと 海に身を投げた

私を助けるために 

先輩は私に一生懸命呼びかけた「大丈夫か?」と

そのことは今でもはっきり覚えている

あの時私の足には手のような物で足首が握られていたのだ
まるでそこの海で死んだ死者が私を引きずりこむように

先輩は私の体をしっかりつかむと船へ運んでいった

しかし これが このことで ターゲットが私から先輩に移ったのだ

先輩も 最初は驚いていた でも 私に「行け!」と言ったかの様にて先輩は・・・

そのまま帰らぬ人になってしまった

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その後遺体は何故だか見つからず

墓という石だけの塊りがその場にたった
骨も魂も何も入ってないただの石ころ・・・

花を添えたって 何にもならないのに・・・

あの時私が死んでれば良かったのに!
何度も何度も後悔した

結局、この事件のせいでいろんな事が判明された
この海には幽霊がでるとか死者が必ず出るだとか・・・

豪快な事にこの一週間その事で新聞、ニュースは膨れ上がっていった

まったく、他のことに目が行かないのか 
今は戦争が再び起ころうとしているこの時に

先日だって、魔女が逃げたというニュースがあった

魔女とは一体誰の事だろうか?

そう思い私は専務に戻ろうとした